2023年2月19日日曜日

ビンテージの流儀

 以前直したレコードプレーヤーのアームホルダーをメンテナンス中に引っ掛けて折ってしまった。


ジャンク品を入手して部品取りしようかとも思ったが

部品取りしたプレーヤー自体が救ってあげれなくなってしまう。

この辺りはいつも考える。



古くなった樹脂パーツは大変もろくなっている。


今回は樹脂を接着剤で直すのではなく

金属を使って複製を目指す。

この部品は知り合いのファクトリーにお願いした。

折れた樹脂部分を一度接着して型取り

ディティールの再現性にため息が出る。
まさに匠の手仕事。














1mm以下の薄い物でも溶接してしまう

熟練の技術に感動する。


ブラックで塗装しようと思ったが

メタル感がシブく見えたので

艶消しクリア塗装でフィニッシュ。

組み立て




普段気にしない部品だけど
気分よし!

バッチリ!




音には関係ない部品だが
音が良く聴こえる。
何故なら気分がいいからだ。













6 件のコメント:

  1. 職人技ですね。

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    1. めぐすり様
      職人技ですね。素晴らし過ぎ!

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    2. dandy様

      削りだし&溶接ですか。
      材質何だろう?


      部品取りに対してドナーの子の心配をされてる辺り
      dandy様の優しさに心温まる思いですが
      同時に臓器売買を連想してガタガタ震えてる私は
      心の病気なんでしょうか。

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    3. めぐすり様
      材質はSC系だと思います。
      材質が気になる辺りその筋の方ですね。

      そうですね。
      完全に心の病気だと思います。
      私は身も心も病気です。

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  2. 寒い日のおでん。
    家族と過ごすひと時。幸せだ。
    身も心もポカポカと温まる。
    こんな夜は童心に帰り、箸で掲げた
    ちくわぶの穴から向こうを覗いてみたくなる。


    『 オーイ オーイ 』


    「・・・・・・・・・」
    「どうしたの、あなた」

    手を振っていた。小っこいおっさんが。全裸で。
    ハゲて小太りの・・・いや、幼い少女のようにも・・・
    枯れ果てた老人のようにも・・・?


    『 オーイ オーイ』


    「・・・・・・・・・・」
    「どうしたの、お父さン」

    走り寄ってきた。笑顔全開で。手を振りながら。
    ランナーのようなフォームで・・・いや、追い縋る老婆のようにも・・・
    無邪気な子供のようにも・・・?


    『オーイオーイ』


    「熱ゥい!」
    「どウしたの、あなタ」
    「あワてなくテも、たクさんアるよ。お父サん」

    ニヤニヤとした口元だけが見えた。
    真っ赤な口紅にやたら歯並びのいい・・・いや、子供の口のようにも・・・
    鉄漿みたいに真っ黒な嘲笑のようにも・・・

    このままにしては絶対にダメだ。本能的にそう思った。
    一気に自分の皿を平らげ、穴の開いたタネはすべて食べつくした。
    舌は焼け、唇の皮がめくれようとも関係なかった。

    「ごちそうさま・・・」


    家族の前では滅多に飲まないようにしていたが
    ダンディは冷蔵庫から日本酒を取り出すと一気に煽る。
    喉まで出かかった悲鳴と一緒にすべてを飲み下すと
    「用事を思い出した」とだけ伝え屋根裏へと引っ込んだ。


    深夜の屋根裏部屋。
    ダンディは作業に没頭していた。
    最近自分や周りが何か別のモノに変わっていくような
    そんな得体の知れない不安に悩まされたダンディにとって
    オーディオ修理はすべてを忘れさせてくれる癒しだった。
    気が付けばもう午前1時をすぎていた。
    「おっといけない」
    気が緩んだのか部品を落としてしまった。
    作業台の下から小さなナットを拾い上げるとダンディは
    それを何気なくライトに翳してみた。






    『 オイ 』







    「お父さん、どこ行ったのかしら・・・」
    「昨日の昼過ぎには屋根裏に居た筈なのに・・・」








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    1. めぐすり様
      家族愛と孤独。
      屋根裏とはいったい・・・

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